Run away with me

 おっさんがおっさんになるとジムに通ったり蕎麦を打ったりツーリングを始めるのはどうしてだか考えたことはありますか？そういうこともね、考えていないとあなたがおっさんになった時同じことをやりますよ。じゃあ質問を変えてみます。老いは嫌なことですか？

 そんなに嫌なことかい？外見の衰えを恥じれるだけの中身があるのか？どうでもいいな

 花がなぜ枯れるのか考えたこともなかったので調べてみた。「老化」「細菌で腐る」このふたつが原因だそうだ。花も老いるらしい。ユリを活けて１時間後、葉はサンプルみたいなてらてらした色をしていた。白いつぼみはつぼみのまま。2日後、色が若干退行してきた。つぼみの中心が膨らんできた。観察を放置して京都へ行く。部屋に戻ると花は満開だった。葉の方は若干しおれ気味。それから数日後、細い葉は完全にしなびて死にかけ、花の先端が垂れて汚らしい花粉を床に落としている。こいつに残された時間は少ない。明日にでもゴミ箱にさで捨ててやろう。やはり人間も花も関係なく完全に衰えた状態というのは醜いようだ。

 花瓶に活けられた植物はナナメ切りされた茎の断面から水を飲む。下部に溜まっている水分を上部のさまざまな器官にまで吸い上げることが可能なのは、道管が浸透圧によって作用するからだ。植物は気孔という穴から光合成と呼吸によって水分を蒸散する。副産的に生まれたイオンやデンプンといった溶質は道管中にとどまるが、蒸散によって減少した水分+溶質の増加によって相対的に植物中の水分が減少し、茎周辺の水分子が道管内に流れ込む運びになっている。水はより濃度が高い水溶液に向かうのだ。

 このシステムが細胞の老化によって正常に働かなくなったり、茎から細菌を取り込むことで「枯れる」方向へ向かう。死に際の方がよく水を汚す。細菌が増えているからだ。これは確かに醜いといえるだろう。当たり前だが、これは人間におきかえても全く同じことが言える。つまり、「死」を怖れるよりも「老い」へ向かうサイクルについて考えることが必要になるのだ。

Sad Bitch

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 身をもって死は認識できない。他人がまさにそのとき死ぬ瞬間や、遺体を見るとき死を体験することはあるが、あなた自身もまた同時進行で老いていくという事実だけが確かなことなのだ。ユリの事例から、生命の末期は醜いことがわかった。どうだ、おっさんになるのは嫌だろう。

 ただ、花が人間より優れているのは、心を持たないゆえ外見のみが衰えることと、一人で勝手に死ぬことだ。

 以上が、部屋に花を活けはじめてわかったことです。

 今朝、あるバカげた仮定をふたつ得た。ひとつはもしかすると一生苦しいのか？で、もうひとつはブロンを飲んだあとだったのだが、心が非常に軽くなっていて、もしかするとこの感覚が正常なのか？というものだ。

 おれの中の宇崎ちゃんが「センパイ！まだ恋愛主軸の人生やってんすか〜？？？ひょっとして......無能なんスか？？？」と問うてくる。 ひょっとしなくてもおれは無能なんですが。大学の友達と雑誌を作ってて、zoomで企画会議やってる中で恋愛の話題になった。メンバーはおれ以外女性なんだけど、そのうちひとりが地元の会社に内定をもらって、卒業したら東京を離れるかもしれないらしい。客観的にみてすごく仲良くしてる彼氏がいて、当然「卒業したらどうするの？」という話になるのだが、「卒業してから考えるし、うまくいかないならそれまで」らしい。確かそんなことを言っていた。かっこいいなあと思った。もし本人が読んでたら念押しするが、これはマジだ。

 恋愛が主軸というか、他に熱中できることがなくて、芯のない生活の脆さから他人に依存してしまうこと。そうなると恋愛とかじゃないんだよな。なんだ、ただの依存か。

 女から離れることのメリットはいくらかあるだろう。だいたい搾取しすぎだし、搾取されすぎている。女と寝る時くらいしか生の感覚がないというのはいささか頭がおかしかった。もっと孤独であるべきだとは思う。

 頭がおかしいといえば、他人のことを知れば知るほど、ちょっとずつみんな狂ってるなと思う。神経症的な箇所が多々みられる。

 コンビニになんとなく入ってなんとなく手に取ったのがソイジョイのブルーベリー味だったとき、おれはもしかしたら本当に狂ってしまったのかも知れないと思った。久しぶりに食べたソイジョイは奥歯に挟まって不快だった。しばらくして我慢できなくなりペヤングを食べた。このムーブはまだ正常だ。書くこと（書くべきこと）が本当にない。地元ではじめて陽性が出たらしい。俄然帰省したくなった。競馬場に行きたい。西荻窪で飲みたい。特にあてもなく無軌道に歩いたりしたい。