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 電動キックボードがかなり楽しい。夜、駅前を徒党組んで走ってるスケボー集団どもの間を颯爽と追い抜いていく。スピードだけがすべてじゃないが、おれらのようなガキにとってスピードは神様だ。

 ウェルベック4冊目を読了。プラットフォームだ。油断していたらまた主人公がうつ病になってしまった。吉本新喜劇、女が喋るエピソードトーク、ミシェルウェルベック。三大「堅いオチが約束されているもの」である。

 この話は何回でもするが、去年の記憶が何もない。具体的には3月~11月の記憶がない。部分ごとには覚えている。香港とキューバに行ったことはよく覚えている。あとよく西荻窪の狭い路地で酔漢になっていたことなど。去年の今ごろ会っていた人たちに久々に連絡をつないでまた会ってみることにした。「覚えてないだろうけどさ去年っておれ何してたか覚えてる？」と問うと「日高屋にいたよ。」と言われた。そう、おれはまさしく日高屋にいた。悲しいが。

 香水を夏用のものにした。しゅきぴがくれたAesopは秋や冬に使いたい。3年前のゴーシャの香水を未だに噴いている。スケーターをオマージュして調香されたものだ。おれはスケーターにはなれない。

 世の中はスケーターになれるやつとスケーターになれないやつの2パターンで別れる。前者は朝も昼も夜もかっこいい。後者は暗い場所でだけかっこつけてる。スケーターは存在が軽いのがいい。どこの国のどんな路面でだって走れるから。彼らは何より楽しそうだ。舗装の荒いアスファルトをガタガタ揺れながらいる時でさえ、溌剌としている。その瞬間は街とひとつになっているのだ。

 キックボードは、なにやら硬質で、街と相容れないようだ。うまく馴染めない。それでいい。気の迷いで履いてたパンツの上から靴下を被せようか迷ったがどう考えてもイカれてるのでやめた。

 あと200字で終わる。

 たしかに僕はなにかしらの理論を必要としていた。自分の置かれた社会的な状況のなかで拠り所になってくれるような理論を。

 これはウェルベックのプラットフォームからの引用だ。ほかの有名な文句だと

生きたいと思う心が欠如している程度では、残念ながら、死にたいと思うには不十分だ。

 というものもあるが、今は関係ない。そう、めちゃくちゃわかる。理論が必要なのだが、それはまともに生きるために、そのためだけに必要なのだ。だから更に理論を欲している。今年は日高屋のウーロンハイなんかで記憶を飛ばさないように理論で補強していくほかはないのだ。